1番のティーグラウンドに立つ前に、早くも「タラ・レバ」が、顔を出す。順番を決めるステンレスの棒を引くとき、何番を引くか、とても重要な問題である。間違っても、オナーを引いてはいけない。運悪く引き当ててしまったら「最初で最後のオナー」などと、軽口たたいてティーをさしてはいるけれど、心臓はバクバク、「飛ぶか」「ド・スライスで、OBこくんじゃないか」などなど、打つ前から、悪い方へ悪い方へと結果を予想。だれが見ている訳でもないけれども、次の組やその次の組、またその次と、大勢が集まっているスタートホールでは、何かしらスイングを見られているような気がして、緊張は最大MAX。結果、ついつい力んでしまって、ボールの頭を叩き、見事なチョロ。リカバリーショットも、早くこの場を去りたいあせりと
これを飛ばさなきゃという思いで、力みの上に焦りも加わって、さらに重ねるチョロ。「一番を引いてなけレバ」「一番でなかっタラ」と、早やくも「タラ・レバ」を唱えながらの第三打は、今までのショットがウソのような、見事なジャストミート。力強い弧を描きながら飛んでいったボールは、当然のごとくグリーン上を飛び越え、グリーン奥のあまり整備もされていないような深いラフの中へ大暴走。いっそ、ぎりぎりに立っているOB杭を越えていた方が、次を打つ方としては楽だったような状況である。「ジャストミートしていなけレバ」と、失敗を反省するはずの「タラ・レバ」が、逆に、失敗を願う「タラ・レバ」に、すり替わってしまうなど、「バンカーにはいらなけレバ」「2打目を曲げなかっタラ」などど、各ホール毎にくり返される
「タラ・レバ」のセリフ、それでも、「あの時、◯◯してタラ」「あの時、◯◯してなけレバ」をくり返しながら、明日の100切りをめざして、日々、練習の他に、道はなしの心境である。